両津「なに?100日後に死ぬヘビだと?」

1 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします00:40:29
麗子「知らないの両ちゃん」

両津「なんだそれは」

中川「ツブヤイターで有名な4コマ漫画ですよ、今ネットで話題なんです」

寺井「毎日更新されているんだけど、全然死ぬ気配がしなくてみんなでいろいろと考察し合っているんだ」

両津「ふん!それよりも場外発売所で馬券が買えなくなった方がよほど話題性があるだろうに」

部長「お前はいつになったら仕事に精を出してくれるんだ!?」

両津「ぶ、部長!いつからそこに…」

部長「まあお前はネットの話題には疎いからな。わしは大介に教えてもらったから知ってたぞ」

寺井「両さんはどちらかというとアナログな人だもんね」

両津「だまれ寺井!みてろよ、わしのモンスターマシーンを使って話題に追いついてやる!」ダッ

麗子「待って両ちゃん!」

中川「たしか先輩パソコンって相当前のやつですよね」

寺井「化石みたいなパソコンでツブヤイターみれるのかなあ」

3 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします00:42:45
―寮の自室

両津「ふーむこれか、なんか新聞の4コマみたいな感じだな」カチッカチッ

両津「こいつが100日後に死ぬんだな、随分単純なあらすじじゃねえか」

両津「なんだ、このヘビは悲壮感が全然ないぞ!あと数十日で死ぬんだぞ!」

両津「こいつのどの辺に死ぬ要素があるんだ?」

両津「…そうか!最終日に突然死ぬ設定でそれまでの何気ない日常に意味付けをしているんだな!」

両津「最後まで見続けないと伏線回収ができないが、ツブヤイターで無料公開だから毎日見続けることは容易…」

両津「これだけ話題性があれば、メディア展開してグッズを売り捌けば大儲け出来るんじゃないか?ぐひひ…」

両津「…そういえば中川のグループ企業に広告代理店があったな…」

4 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします00:42:45
この前ウインズでタバコ吸おうと思ったら閉まってたんだよねー
6 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします00:44:51
―広告代理店・中川エージェンシー大会議室

役員「今日はお越しいただきありがとうございます」

両津「どうもどうも、わしが中川の友人のハイパーメディアクリエイターことリョウツカンキチだ」

両津「…集まっていただいたのは言うまでもない、諸君には『100日後に死ぬヘビ』のメディアミックス、
通称100ヘビプロジェクトの始動に尽力していただきたい」

両津「ご存知の通り100ヘビはツブヤイターで爆発的な人気を有しているコンテンツだ、
結末が気になって毎日閲覧しているユーザーも多い」

両津「そこでだ、作者を札束ビンタして説得した上でこの作品を我が社のネットワークを使って関係各所に猛プッシュ、
100ヘビの一大ムーブメントを演出したい」

両津「最終的には社会現象を人為的に作り出し、ネット上の広告マーケティング手法を確立するのが目標だ」

両津「わしも総合企画プロデューサーとして微力ながら協力する、徹底的にやれ」

役員たち「は、はい!」

7 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします00:46:32
―数日後

テレビのアナウンサー「……今、ネット上で話題になっているのがこちら『100日後に死ぬヘビ』です……」

麗子「100ヘビ、ずいぶん人気なのね」

中川「週刊誌も特集していますし、すっかり国民的なコンテンツになりましたね」

寺井「ツブヤイター発のコンテンツが流行るなんて、僕たちがマスコミを動かした感じがするなあ」

大原「それはそうと最近両津は無断欠勤が続いているな」

中川「先輩、お爺さんの会社を手伝っているとか言ってましたけど…」

9 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします00:48:04
―さらに数日後

麗子「みてください部長! 両ちゃんがテレビに出ているんです!」

大原「なに!?」

両津『…つまりです、この作品は何気ない日常の尊さにメッセージが込められているのです』

大原「なんだこれは」

両津『生き物はいつか死にます。それは避けられないことです。ならば、今生きている瞬間をどう生きるかを考えるべきなんです』

両津『過ぎ去った時間は二度と戻らない。だからこそ、日常を疎かにしてはいけないということをヘビは説いているのです』

インタビュアー『リョウツさんは今後この連載が終了した「100ヘビ」をどうプロデュースしていくつもりですか?』

両津『そうですね、普遍的なテーマを扱っているので様々な人々に楽しんでもらいたいですね。
まずはアーティストとのタイアップと映画化から、残りは今後随時発表していくつもりですよ』

10 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします00:50:29
両津「やあやあ諸君、わしの出演番組を見ているようだね」

中川「先輩!」

麗子「あっ、両ちゃん!」

大原「こら両津!公務を休んで副業とはけしからん!それになんだこの浮ついた服装は!」

両津「チッチッチッ、『ハイパーメディアクリエイター・リョウツカンキチ』と呼んでほしいものですな」

大原「なんだと!」

両津「まあいい、計画は続々と進んでいるからな」ドサドサ

中川「えっ、これらの企画書類は…」

麗子「ドラマに舞台、アニメも?ちょっと多すぎじゃないの?」

寺井「歌手とのタイアップと映画以外にこんなにあるの?」

両津「ははは!ドル箱コンテンツはしっかり活用しないとな!」

大原「両津、すぐに流行るものはすぐに廃れるんだぞ。少し考えればわかるだろう」

両津「違います部長!良い作品は何度体験しても良いものなんです!」

大原「わしは忠告したからな」

両津「部長の助言なんて古すぎて時代遅れだね!わしは今を生きているんで、じゃ、お世話になりました!」

11 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします00:53:12
両津の発言通り、100ヘビは実写ドラマ、舞台、アニメ、絵本、小説、
さらには歌舞伎、ソーシャルゲーム、パチンコとありとあらゆる媒体で展開が矢継ぎ早に予告された!
関連グッズも大量に制作され、全国の商業施設に特設販売ブースが設けられた!
しかし…

役員「リョウツプロデューサー!ネット上で『商業臭が強すぎる、悲しむ時間を奪うな』と批判の声が上がっています!」

両津「うるさい!鉄は熱いうちに打つんだ!最終話の翌日から店舗展開してブームの熱を冷ますな!」

役員「しかし…」

両津「いいからガンガン展開するんだ!ユーザーを飽きさせるな!」

役員「はあ…」

両津「海外展開も積極的にするぞ!ネズミー映画の興行収入を上回ってやる…」

12 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします00:55:18
急速なメディア展開の発表は案の定炎上へと繋がった!

炎上がきっかけとなり100ヘビの人気は急速に下落、

また直後に出たパロディ作品『100日後に退職する新入社員』がバズった影響もあり、

数々のメディア展開は記録的な赤字を叩き出した。

そして、中川エージェンシーはメディア展開失敗の代償として両津との契約を解除、

メディアクリエイターリョウツカンキチは表舞台から姿を消したのであった。

なおプロデューサーを装うために使った両津の資金源は部長を連帯保証人としてサラ金から融資を受けており、

偽造判子を使われた大原部長はその請求に追われた!

13 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします00:55:55
大原「両津のバカはどこだ!」

中川「ニシキヘビの皮からバッグを作るとアフリカへ行きましたが…」

おわり

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