女上司「終電の発車を確認しました。直ちに部下誘導モードへ移行します」男「え……え!?」

1 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:30:22
女上司「終電の発車を確認しました」ピピピ…

男「あー、行っちゃったか……」

女上司「直ちに部下誘導モードへ移行します」

男「え……え!? 誘導……!?」

女上司「始発は5:50予定、私についてくることをお勧めいたします」

男「いや、適当に漫喫とかに行くんで……」

女上司「漫画喫茶では体力の十分な回復は図れません。健康を損なう恐れがあります。さらに……」

男「わ、分かりました……ついていきます!」

7 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:33:58
女上司「タクシー乗り場まで徒歩で向かいます」

女上司「3分20秒かかる見込みです」

男「はい……」

男(前々から思ってたけど……課長ってロボっぽいよなぁ)

男「あの……」

女上司「質問を受け付けます」

男「もしかして、課長ってロボットじゃありませんか?」

女上司「ロボットではなく、課長です」

男「いや、課長兼ロボじゃないかって聞いてるんですけど」

女上司「移動を開始します」ウイーン

11 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:36:33
DQN「へっへっへ……」

不良「いーけないんだ、いけないんだ。こんな夜中に外うろついて」

男「!」

女上司「男性二名を確認しました。両者とも20歳前後と見られます」

男「見れば分かりますよ!」

DQN「俺たち、善意で夜のパトロールしててさ。不審者からは罰金もらうことにしてんの」

不良「罰金いただきまーす。財布出してくださーい」

女上司「虚偽の確率、95%」

男「100%ウソですよ、こんなの!」

13 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:39:10
DQN「グダグダいってねえで、とっとと財布出せや!」ガシッ

男「わわっ!」

女上司「部下への攻撃を確認。戦闘モードへ移行します」

男「戦闘モード……?」

女上司「発射」シュボッ

ドゴォッ!

DQN「ぶげぁっ!」

男「ロケットパンチィ!?」

15 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:41:49
強い
16 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:42:26
不良「てめえ!」バチバチッ

男「ス、スタンガン!」

不良「喰らえッ!」バチバチバチッ

女上司「ガガガ……大きくダメージを受けました……。損傷率22%……」プスプス…

男「あ、やっぱり電気に弱いんだ!」

男(って、納得してる場合じゃない。俺も戦わないと!)

男「だりゃあっ!」ドンッ!

不良「いでっ!」

17 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:45:06
不良「この野郎……感電したいかァ!」グオッ

男「わ……わわっ!」

女上司「アイビーム発射」ビッ!

ボォォォォォン!

不良「ぎゃああああああああ!!!」

プスプス…

男「え、と……やりすぎなんじゃ……」

女上司「殺傷力は抑えました。標的の生体反応を確認」

男「生きてるならいいですけど……」

18 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:48:11
男「お、タクシーがありますね」

ガチャッ

運転手「どちらまで?」

女上司「研究所までお願いします」

男「研究所って……やっぱりロボじゃないですか!」

女上司「ロボチガウ、ロボチガウ」

男「もう絶対ロボじゃないですか! ていうか、ロケットパンチの時点でアウトです!」

19 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:51:32
ブロロロロ… キキッ

運転手「到着しました」

女上司「代金を支払います」ウイーン

男「どっからお金出してんですか」

女上司「研究所へ案内します」

男「はい……」

男(うわっ、漫画に出てくるような、一目で研究所って分かる研究所!)

22 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:55:19
スタスタ…

男(色々な設備がある……)

男(ロボットだけじゃなく、生き物全般の研究をしてるって感じなんだな)

女上司「マスターを紹介します」

男「マスター? ああ、課長を作った人ですか」

男(どんな人だろう? やっぱり漫画に出てくるような、年取った博士が……)

23 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:58:40
女上司「マスター、部下を連れてきました」

女博士「ようこそ、私の研究所へ」

男「……!」

男(女性だった……! しかも、かなり美人!)

男(白衣を着てて、年齢不詳って感じだけど……なぜだか親しみも覚える)

女上司「私は充電モードに移行します」

女博士「ああ、ご苦労だった」

男「もうロボっての隠すつもりないですね」

25 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:01:18
女博士「コーヒーだ」

男「あ、どうも、いただきます」

女博士「さっきの彼女……課長はどうだ? ちゃんと上司をやっているか?」

男(やっぱり……自分の作品の出来栄えが気になるんだな)

男「とても優秀で、指示も的確ですし、もちろんミスもしませんし……」

男「さっきもチンピラみたいな連中から助けてもらって……」

女博士「ふふっ、そうかそうか。製作した甲斐があったというものだ」

26 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:04:24
女博士「仕事はどうだ?」

男「仕事……? そうですねえ。課長のおかげで……」

女博士「彼女のことは今はいい。君の話を聞きたいんだ」

男「え、あ、すみません」

男(今度は課長がちゃんと部下を育てられてるかどうか、チェックしたいのかな)

男「今は営業をやってるんですけど、無茶な要求をしてくるお客が多くて……」

女博士「なるほど」

……

……

27 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:07:24
男「……とまぁ、こんな感じです」

女博士「ありがとう」

男(終始ニコニコしながら話を聞いてたな……とりあえず、悪い印象は持たれてなさそうだ)

男「今度は、俺からも質問いいですか?」

女博士「どうぞ」

男「あなたは……どういう研究をなされているんですか?」

女博士「色々やっているが、やはり一番は“人を造る”という研究だ」

男(やっぱり……)

28 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:10:16
女博士「自ら設計し、自ら材料を集め、自らの手で組み立て」

女博士「男女の交尾から産まれた通常の人間と、なんら遜色のない人間を造りたいと思ったのだ」

男「……!」

女博士「神の領域を侵す研究……だが、私はどうしてもやり遂げたかった」

女博士「そのために、あらゆる学問を研究した。労力を惜しまなかった」

男「ロボット工学も、ですか?」

女博士「もちろんだ」

男(その結果……生まれたのが課長ってわけか)

30 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:14:40
男「今はどういう段階なんです?」

女博士「社会生活に必要な環境や記憶、知識を与え、社会勉強をさせている」

女博士「どう育っていくかは、あとは本人次第というところだな」

男「それで会社勤めをさせてるわけですか」

男「研究に点数をつけるとするなら……何点でしょう?」

女博士「むろん、100点満点だ!」

男「……」

男(あんな露骨にロボっぽい課長で100点か……まあ言わないでおこう)

32 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:17:26
男「なにか最終的な目標とかってあるんですか?」

女博士「特にない」

男「え、ないんですか。例えば、“こういうことをさせたい”とか……」

女博士「私は人を造ったのだ。つまり、それは我が子も同然……」

女博士「我が子を“こういうことをさせるために産む”という親はいまい?」

男「そ、そうですね……」

男(まあ、実際には結構いそうな気もするけど。後継ぎにするとか、自分の叶えられなかった夢を叶えさせるとか)

女博士「元気に暮らしてくれればそれでいいんだ」

男(まるで母親みたいな表情だ……)

35 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:20:30
女博士「おっと、もうこんな時間か。向こうに客室がある。そこで眠ってくれ」

男「は、はい」

女上司「マスター、私は充電完了しました。100%です」

女博士「そうか、では私を手伝ってくれ」

女博士「他の研究所から依頼された実験をこなさねばならないのでな」

女上司「分かりました」

男(課長は寝なくてもいいんだな。そりゃそうか、ロボットなんだから)

36 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:20:30
なんかICBMと暮らすやつ思い出した
38 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:23:45
朝になり――

男「おはようございます」

女博士「おはよう」

女上司「おはようございます」

女博士「朝食を用意してくれ」

女上司「分かりました。調理モードへ移行します」

男「調理モードなんてのもあるんですね」

39 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:26:23
男「朝食までご馳走になって……どうもありがとうございました」

女博士「ああ、気をつけてな」

男「ところで……近くに来たら、またここに来てもいいですか?」

男「あなたにはなんかこう、不思議と親しみのようなものを感じてしまって……」

女博士「……ああ、いつでも来てくれ」

女上司「では私が近くの駅までお送りします」

40 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:29:23
女上司「部下の帰宅を確認しました」

女博士「ご苦労だった」

女博士「これからも……あの子をよろしく頼む。上司として、あの子を成長させ、見守ってあげてくれ」

女博士「あの子は……大切な“我が子”だからな」

女上司「承知しました、マスター」

― 完 ―

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