男「ドッキリ仕掛けられてキレる奴は心の狭いゴミなんだよ」

1 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:00:41
芸人「え、どないしよ……はよ身代金用意せんと……。親に金借りるしか……」

仕掛け人「大丈夫、娘さんはご無事ですよ」

芸人「え?」

仕掛け人「実はこれ……ドッキリなんです!」

芸人「なんやねーん、もーう! 悪趣味すぎるわ〜!」

仕掛け人「ドッキリ大成功〜!」

男「よし、このドッキリも上手くいったな。視聴率を稼げるぞ」

部下「はい!」

3 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:03:41
部下「いやー、こんなドッキリを思いつくなんて、あなたはホントドッキリ企画の天才ですね!」

男「ドッキリは未だに視聴率を稼げるコンテンツだからな。ドッキリを制す者がテレビを制するんだ」

部下「ただ……」

男「?」

部下「この間、痴漢冤罪ドッキリのターゲットにした俳優さんが激怒してるらしいんですよ……」

部下「どうしましょう?」

男「ちっ、面倒だな。実害があったわけじゃないだろうに」

男「ドッキリ仕掛けられてキレる奴は心の狭いゴミなんだよ」

部下「で、ですよね」

男「仕方ないから、菓子折りでも送って謝罪しとけ」

4 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:06:23
……

男「ほら、飲めよ」

部下「いただいてます……」

男「過激なドッキリはやめろなんて世間の声もあるが、ドッキリなんて過激なぐらいでちょうどいいんだ」

男「なんたってドッキリなんだからな。ターゲットになーんも迷惑かけてねえ」

部下「おっしゃる通りです」

男「ってことでほら、お前……これ飲めよ」

部下「え、煙草の吸殻入ってますけど……」

男「いいから飲めよ。飲まなきゃクビにしちまうぞ」

部下「そんな……」

5 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:09:10
男「なーんて!」

部下「え……」

男「ドッキリだよ〜ん!」ベロベロベロ

部下「な、なんだ……」

男「ハハハ、驚いたか? アハハハハ!」グビグビ

部下「飲みすぎじゃ……」

男「俺はドッキリの天才だ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

――――――

――――

――

6 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:13:03
――

――

男「……ん」

男「いてて……頭痛がする……昨日は飲みすぎたな」

男「おーい、水くれ、水!」

男「二日酔いがひどいんだ……水くれ!」

7 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:16:10
男「あ?」

妻「……」

男「朝っぱらから、そんな神妙なツラしてどうしたんだよ」

妻「あなた……」

男「?」

妻「離婚しましょう」

男「へ?」

10 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:20:44
男「ちょっと待て! なんでいきなり!?」

妻「毎晩午前様で帰ってきて……もう愛想尽きちゃったのよ」

男「俺は一流テレビマンだぞ!? 人付き合いってもんがあって……」

妻「もう決めたことなの。はい、離婚届」スッ

男「……!」

妻「早く判子押してよ」

男「待ってくれ……もう一度話し合おう! な、頼む!」

11 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:22:13
妻「なーんちゃって」

男「は?」

妻「ぜーんぶウソ! ドッキリでしたー!」

男「お、お前ふざけるなよ! 朝からこんなイタズラ――」

妻「あら、ドッキリなのに怒るの? 実害ないのに怒るの?」

男「!」ハッ

男「い、いや……うわぁ〜、やられちゃったな〜!」

妻「ドッキリ大成功!」

12 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:25:18
男「ったくー、なに考えてんだ、あのバカ女……」スタスタ

バタンッ!

キンコーンキンコーン!

男「!? なんで改札が閉じるんだよ……」

駅員「お客さん……この定期、偽造ですね?」

男「は? なにいって……」

駅員「ちょっと事務所まで来てもらいましょうか。警察も呼びますんで」

男「俺は偽造なんてしてないって!」

14 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:28:12
駅員「と、ここでネタばらし!」

男「……へ?」

駅員「ドッキリでした〜!」

男「なに考えてんだ! 人の定期券を偽造呼ばわりしやがって!」

駅員「おやおや、ドッキリにキレるんですか?」

男「ぐ……!」

男「いやー、いいドッキリだったよ……。やられちゃったー……」

駅員「ドッキリ大成功!」

15 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:30:07
ガタンゴトン… ガタンゴトン…

男(お、電車が来た……)

ドンッ!

男「うわっ!」グラッ

会社員「……」ニヤッ

男「あっぶねえ! 何しやがる!」

16 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:33:12
会社員「ドッキリですよ……面白かったでしょう?」

男「はぁ? 死ぬとこだったんだぞ!」

会社員「もちろん、ちゃんと死なないように手加減して押しましたよ」

会社員「それなのに、怒るなんて……」

男「うぐぅ……」

会社員「ドッキリ大成功!」

パチパチパチパチパチ…

男(周囲の奴らまで……!)

17 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:35:51
男「……」

部下「どうしました? 二日酔いですか? 昨日は飲みまくりましたからね〜」

男「いや、酔いはもう覚めたけど……」

男(なんなんだ、さっきから……。今日は何かおかしい……)

男「悪いけど、コーヒー淹れてくんねえか?」

部下「分かりました」

18 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:38:17
部下「どうぞ」

男「ありが……」グビッ

男「ブッ!?」

男「ごほっ、げほっ! なんだこりゃ……青汁じゃねえか!」

部下「コーヒーと見せかけて青汁を飲ませるドッキリをやってみました!」

男「やってみましたじゃねーよ! 俺をナメてんのか!」

部下「あれ? 怒るんですか? ドッキリされてキレる奴はゴミっておっしゃってましたよね」

男「確かにいったけどさぁ……」

部下「ドッキリ大成功!」

19 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:40:01
お前もか
20 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:41:33
男「お呼びでしょうか」

上司「このところ、君のドッキリ企画、過激すぎるんじゃないかね?」

男「しかし、視聴率を取るためです。実際、数字は取れています」

上司「それなんだがね、これからのテレビはもっと健全な内容を放送する時代なんだよ」

上司「というわけで、君はクビだ」

男「は?」

上司「懲戒免職だ。今日中に荷物をまとめて、ここから出ていってくれ」

男「そんな……いきなりクビって……」

21 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:44:14
上司「ウッソー!」

男「は?」

上司「ドッキリだよ〜ん」

男「……」

上司「ビックリした? どう? ビックリした?」

男「しました……」

上司「ドッキリ大成功!」

22 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:47:06
男(おかしい……)

男(なにもかもおかしい……)

男(今朝から皆が俺にドッキリをかけてくる……一体どうなってんだ?)

男「とりあえず一服して、心を落ち着けて……」シュボッ

警官「コラーッ!」

男「え?」

警官「こんなところでタバコを吸ってはいかーん!」

男「いかんって、ここ喫煙所ですよ?」

警官「黙れ黙れ! 喫煙所で吸うのも違法になったんだ! 判決、死刑!」チャッ

男「ちょっ、拳銃!?」

23 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:49:38
警官「バーン!」

男「ひっ……!?」

警官「ドッキリでしたー!」

男「……!」

警官「さ、気にせず吸ってくれたまえ」

男「いえ、もういいです……さよなら……」

警官「ドッキリ大成功!」

26 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:54:56
チンピラ「てめえ、俺の顔見て笑っただろ!」ガシッ

男「わ、笑ってません!」

チンピラ「ドッキリでしたー!」

ドライバー「タクシーで轢き殺してやる!」ブロロロ…

男「わーっ!」

ドライバー「なーんちゃって! ドッキリタクシーだよーん!」

主婦「この子、あなたの子なのよ!」

男「だ、誰!?」

主婦「ドッキリ大成功!」

子「やったね、ママ!」

29 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:57:03
男「もう……さっきからなんなんだよ……」

男「ドッキリやだ……ドッキリ怖い……」

黒服「……」ザッ

男「どなた……?」

黒服「あなたを拉致らせてもらう」ガシッ

男「へ……?」

ドタバタ…

男「わっ! なにをする――」

バタンッ! ブロロロロロ…

30 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします18:59:37
ブロロロロ…

男「もご……もご……」

男(これもおそらくドッキリなんだろうが――)

男(一体どうしてこんなことになったんだ……!?)

男(俺がドッキリを仕掛けすぎたから、神様がバチを与えたのか……!?)

男(どうすればこの状況から抜け出せるんだ……!?)

ブロロロロロロロ…

31 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします19:02:34
黒服「着いたぞ。降りろ」

男「う、うう……」

ズラッ…

男(どこだここ……?)

男(暗くてよく見えないが、大勢が俺を囲んでるってことは分かる)

代表者「待っていたよ」

男「俺をどうするつもりだ……」

代表者「これより、この全員で君をリンチする。覚悟してもらおう」

男「は……?」

32 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします19:05:44
男「ちょっと待て! なんで俺がリンチされなきゃならない!」

代表者「自分のやってきたことをよく考えるんだな。せいぜい後悔するがいい」

男(ドッキリを繰り返してきたことか?)

男(あれは仕事でやったんだ! 視聴率のためにやったんだ! 俺は悪くねえ!)

男(それに、どうせこの状況だって……)

男「……ふん。覚悟だと? 後悔だと?」

男「そんなもんするわけないだろうが!」

33 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします19:08:30
男「どうせ、これだってドッキリなんだろ!? ウソなんだろ!?」

男「する気もないリンチなんて怖くもない!」

代表者「……ドッキリ?」

代表者「そんなわけないだろうが、君は本当に死ぬのだ」

男「え……?」

バキィッ!

男「うげっ!」

代表者「さあ、みんな。こいつを殺そう。楽には死なせず、徹底的に苦しめてからな」

男「あ……ああ……」

34 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします19:11:18
男(よく見ると……集団の中に俺の知ってる顔も……)

妻「楽しみだわ〜」

部下「あんたにゃずっとムカついてたんだ!」

上司「やっと局の問題児を処分できるよ」

男「ひいい……!」

代表者「諦めたまえ。君の味方はもはや一人もいない」

男「ま、待って下さい!」

代表者「ん?」

35 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします19:13:57
男「私が悪うございました!」

男「私は長年ドッキリを仕掛けてきたせいか、それで自分が偉くなったと勘違いしてしまい――」

男「調子に乗ってました! 傲慢になってました!」

男「ドッキリを仕掛けられるってことがこんなにキツイことだとは思いませんでしたぁ!」

男「だからぁ……だから!」

男「どうか許してくださぁいいいいいい!!!」

代表者「……」

36 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします19:17:10
代表者「顔を上げて下さい」ニコッ

男「……え」

代表者「その謝罪を聞きたかったんです」

代表者「あなたの口から、その言葉を……」

男「あ……あなたは……! 俺がドッキリを仕掛けて激怒させてしまった俳優……!」

代表者「そうです。全ては私が仕組んだこと……これであなたへのお仕置きは終わりです」

代表者「みんなで仲良く帰りましょう!」

男「はいっ!」

38 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします19:21:07
代表者「なーんてな」

男「え?」

代表者「あんな謝罪ぐらいでお前を許すと思ったのか?」

代表者「今お前を許してやった茶番劇はドッキリだ。つまり――」

男「つまり……?」

代表者「お前は本当に死ぬんだ。今ここでな」

男「ひっ……!」

代表者「さぁ、みんな。こいつを叩きのめせ。警察にも手を回してあるから罪にはならない」

男「や、やめて……嫌だ……」

ワァァァァァ……! ウオォォォォォ……!

男「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁ……!!!」

39 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします19:24:18
――

――――

――――――

男「……ん」

男「いてて……頭痛がする……」

妻「あら、あなた。起きたのね。ずいぶんうなされてたけど……」

妻「今、お水持ってくるわ」

男「……」

41 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします19:27:48
妻「はい、お水」

男「!」ビクッ

男「ヒ、ヒヒヒ……分かってるぞ。この中には水じゃなく別なもんが入ってんだろ?」

男「そういうドッキリなんだろぉ? 俺にはちゃんと分かってんだ!」

妻「なにいってるのよ、寝ぼけてるの……?」

男「寝ぼけてなんかいないさ。もう俺は騙されない。ドッキリの天才だからなぁ!」

男「ヒ、ヒヒヒ……ヒヒヒ……」

44 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします19:30:31
男「もしかして、お前偽者なんじゃないのか?」

妻「はぁ?」

男「今時の変装技術はすごいからな! そういうドッキリも十分あり得る!」

男「となると、隠しカメラも仕掛けてあるに違いないな! ここか? ここか? ここかぁ!?」

妻「どうしちゃったの……」

男「さぁ、ドッキリを仕掛けてこい! 俺は逃げも隠れもしないからよォ!」

男「クビにされようが、銃で撃たれようが、リンチされようが、笑って許してやるからよォ!」

45 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします19:32:33
男「おいっ! そこで俺を見てるお前ェ! お前だよお前!」

男「早くドッキリを仕掛けてこいよォ!」

男「俺はドッキリの天才だ! だからどんなドッキリが来るかもちゃーんと分かってるんだ!」

男「絶対キレやしないから、安心して仕掛けてこいってぇ!」

男「ヒャ〜ッハッハッハッハッハッハッハ……!」

― 完 ―

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