男「ロシアンルーレットやろうぜ!」バキューンッ 女「いいよ!」ドキューンッ

1 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします21:50:11
男「あーあ、暇だなぁ」

女「ねー」

男「そうだ、ロシアンルーレットやろうぜ!」

女「いいよ!」

男「じゃあまず俺から!」バキューンッ!

女「次は私ね」ドキューンッ!

男「今度は俺な」バキューンッ!

女「私の番!」ドキューンッ!

3 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします21:53:29
女「あ……タマ無くなっちゃった」カチッカチッ

男「お互い何発も頭にブチ込んだけど……」

男「死なねぇ〜!」

女「ねー」

男「俺らがやった遊びをロシアンルーレットっていっていいのかな?」

女「ロシアの人が聞いたら怒るよ、きっと」

男「たしかに。ウォッカぶっかけられるかも」

男「頭再生させとくか。脳みそ飛び出てると見栄え悪いし、頭も悪くなった気分だ」ムクムク…

女「うん」ムクムク…

4 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします21:56:29
男「はぁー……毎日がつまらん」

男「こんなことなら、不死の薬なんか飲むんじゃなかったな」

女「ねー、早まったよね」

男「なにやっても死なないってだけで、ここまで人生にハリがなくなるとは思わなかったよ」

女「何事も期限ってのは大事だね」

女「もし夏休みの宿題に期限がなかったら、誰もやらないもん、きっと」

男「だよなぁ。いつやってもいいってことは、いつまでもやらなくていいってことだもんな」

男「あーあ、なにか生きがいが欲しいなぁ」

5 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします21:59:23
男「それにしても、この銃をどっかの犯罪組織からパクった時は多少スリルあったな」

女「うん、あいつら私らがいくら撃っても死なないからビックリしてたしね」

男「あれはちょっと面白かったなぁ……痛かったけど」

女「あ、私いいこと思いついた」

男「ん?」

女「二人で殺し屋でもやらない? せっかく銃もあるしさ」チャッ

男「おっ、そりゃいいな! なんたって俺ら不死身だし、どんな奴だって殺せるぜ!」

女「決まりね!」

6 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:02:44
女「どうやって依頼受ける?」

男「適当にサイト作って……メールで依頼受けよう」カタカタ

男「依頼料は……格安でいいや!」カタカタ

女「どうせお金なんて必要ないしね。食べる必要もないし」

男「よし、できた!」カタカタッターンッ

女「どんな仕事が来るか楽しみだね〜」

男「ああ、ワクワクしてきたぜ!」

8 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:05:30
女「どう?」

男「うーん……どれもイタズラばかりだ」

『織田信長を殺して下さい by明智光秀』

『家にゴキブリが出るのでお願いします』

『自分自身を殺して下さい』

男「死ねたらとっくに死んでるっつうの」

女「ねー」

9 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:08:30
男「……ん?」

女「どしたの?」

男「一つだけ、マジっぽいメールがある。文面からして迫力が違うっつうか」

女「どれどれ……『本当に殺し屋なら、○月×日18時に△△町の公園まで来て下さい』か」

男「どうする?」

女「行ってみるっきゃないっしょ!」

10 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:14:04
―公園―

少女「……」

男「あそこが待ち合わせ場所だけど……」

女「依頼人は女の子じゃない!」

男「ああ……まだ小学生か中学生ってとこだな」

女「いったい誰を殺したいんだろう?」

男「とにかく、話を聞いてみるしかないな」

11 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:16:08
男「こんばんは」

少女「お待ちしてました」

女「えぇっと……殺しを依頼したいってことだったけど」

少女「はい」

男「誰を殺して欲しいの?」

少女「……私」

男「え!?」

女「え!?」

13 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:19:53
男「それはつまり、自殺したいってこと?」

少女「そうなりますね」

少女「できれば自分で命を断ちたいけど、なかなか踏み切れなかったので」

男「んで、俺らのサイトを見つけたってわけか」

少女「はい」

男「銃は?」

女「持ってきてあるけど……弾も入ってるよ」

男「よ、よし……」チャッ

少女「……」

男「……」ゴクッ

14 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:22:44
男「ううう……」

男「やっぱお前がやってくんない? 自分は散々撃ったけど、人撃つのって初めてだし……」

女「えー?」

女「じゃあ……」チャッ

女「……」

女「あ、無理! 怖い! 自分と他人って全然違う!」

男「だろ?」

少女「早くして下さい!」

男「えぇっと……」

女「どうしよっか……」

15 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:25:19
男「じゃあこうしよう!」

少女「え?」

男「君が自殺したくないのは、ようするに自殺がどんなもんか分からないからだろ?」

男「今から俺らが自殺の実演をするから……一番できそうなやつを選んでくれ!」

女「それいいわね! 私らの得意分野!」

少女(自殺の実演? どういう意味……?)

16 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:28:50
男「じゃ、まず俺から」

男「首吊り」

ギュッ…

男「ぐえっ……!」

少女「え、ちょっとこれホントに吊ってません? トリックじゃなく……」

女「吊ってるわよ」

少女「えええ!?」

男「……」ビクンビクン

女「おおっ、顔が青くなってる! いいぞいいぞー!」

少女「青いどころか白ですよこれ!」

17 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:31:20
女「次は私ね、リストカット!」

ザクッ

女「……」ドクドク…

男「これ意外と死なないんだよな」

女「うん、やっぱり首いってみよっか」ザシュッ

ブシュゥゥゥゥゥゥ…

男「うわっ、すげえ血! こっちまで飛んできたぞ!」

女「やだ、どうしよう! 後で掃除が大変!」ブシュゥゥゥゥ…

少女「きゃあああああ!!!」

19 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:35:10
男「飛び降り!」

ヒューン…

グシャッ!

男「……」ビクビク

女「あーあ、頭からいけなかったわね。中途半端」

少女「首がグニャリと曲がってる……」

女「練炭!」モクモク…

女「……」

男「おー、ホントに眠るように死んだな」

少女「早くドア開けないと!」

男「大丈夫、死んでないから」

少女「どっちなの!?」

20 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:37:12
男「実演はこんなとこかな」

女「そうね」

二人「さぁ……どれにする?」

少女「どれもイヤ!!!」

男「ですよねー」

女「明らかに引いてたもんね」

少女(分かってるなら、もっと早くやめて欲しかった……)

21 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:41:15
少女「あなたたち……なんなの? 何者なの!?」

男「ただの人間だよ。ただし不死身の」

少女「不死身……!?」

女「それを生かして、何かやろうと思ったんだけど……なかなか上手くいかないわね」

男「不死って体が潰れても平気だけど、潰しはきかないな」

女「座布団全部持ってってー」

男「それはさておき、君はどうして死にたいんだ?」

少女「……」グイッ

男「腕にアザが……!」

女「あなた虐待されてるの?」

少女「……」コクッ

22 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:44:15
少女「お父さんは飲んだくれで、暴れん坊で……すぐ暴力振るうの」

少女「私もお母さんも愛想尽かしてるけど、どうにもならない……」

女「だったら相談所とかに行けば……」

少女「ダメよ。相談員の人が来ても、すごい剣幕で追い返しちゃう」

女「厄介ね〜」

男「だったらいっそ、お母さんと遠くに逃げれば?」

少女「勘が鋭くて、すぐ追いかけてくるの。何度か逃げようとしたけど、失敗しちゃった」

少女「捕まったらもちろん……」

男「暴力による制裁ってわけか」

23 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:47:05
女「じゃあさ、いっそ私たちがこの子のお父さんをやっちゃう?」

男「そりゃいいな。同情の余地もないし……」

少女「それは……ダメ!」

少女「あんなのでもお父さんだし、さすがに殺しちゃうのは……」

男「だから思いつめて、俺らに“自分を殺してくれ”って依頼したわけか……」

女「どうする?」

男「うーん……」

24 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:51:06
男「ようするに、そのオヤジの命を奪わずに、どうにかできればいいわけだ」

少女「うん……。時間さえあれば、手の届かないところに逃げられると思うし……」

男(なにかいい方法は……)

男(俺らの長所を生かしたやり方で……)

男「……」

男「――そうだ!」

女「どうしたの?」

男「いいこと思いついた」ニヤッ

女「いいことって?」

男「そのオヤジを……殺す方法さ」

26 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:55:10
―少女の家―

父「おう、金よこせ。ちょっくら飲んでくる」

母「いい加減にしてよ……お金なんかないわよ……」

父「あいつの学費に貯めてる金があんだろぉ!? ほら、よこせぇ!」バシッ!

母「きゃっ!」

父「さーて、飲んでくるか! ちゃんと夜食用意しとけよ!」

バタンッ!

母「もういや……!」グスッ…

27 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:57:18
―少女の家―

父「おう、金よこせ。ちょっくら飲んでくる」

母「いい加減にしてよ……お金なんかないわよ……」

父「あいつの学費に貯めてる金があんだろぉ!? ほら、よこせぇ!」バシッ!

母「きゃっ!」

父「さーて、飲んでくるか! ちゃんと夜食用意しとけよ!」

バタンッ!

母「もういや……!」グスッ…

28 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします22:59:14
父「ウ〜イ……もう一軒行くかぁ」ヨロヨロ

男「あ、虐待マンだ」

父「あ?」

男「ぎゃっくたいマン! ぎゃっくたいマン! ぎゃっくたいマン!」

父「……」イラッ

父「なんなんだてめえは!? あぁん!?」

男「人間ですぅ〜」

父「……」イライラ

31 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:03:34
男「つかぬことを伺いますけど」

父「なんだよ?」

男「あなた、女子供にしか喧嘩を売れない弱虫って聞いたんですけど、本当ですか?」

父「ンだとォ!?」

父「んなわけねーだろ、てめえ如きぶっ飛ばしてやるよォ!」

男「ほぉ〜」

父「なんなら今ここでやるか!? あぁん!?」

男「いいですよ。でも、どうせやるんだったら……」

父「?」

32 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:05:43
男「ほらあそこ」

父「?」

男「あそこに銃が落ちてます。あれでやってみたらどうです?」

父「……」サッ

男「俺に向かってぶっ放して下さいよぉ、勇気があるならね」

父(なんでこんなとこに銃が……? どうせエアガンかなんかだろうが……)

33 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:08:34
父「いいぜ、やってやるよ」チャッ

男「おおっ、ホントですか――」

父「死ね!」バキューンッ!

男「ぶっ!」

ドサッ…

父「え……?」

父「は……!? えっ、これ……本物……!? バカな……!」

女「キャーッ!!!」

34 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:11:54
女「人殺しーっ!」

父「え……?」

女「おまわりさーん! こっち来てーっ! 早く早くーっ!」

警官「どうしたんです?」

女「あの男が……今、人を撃ったんです! 頭を思い切り撃ち抜いてましたァ!」

警官「な……!?」

父「ち、違う! 俺じゃない!」

女「偶然にも、バッチリ動画も撮れてます!」

警官「おおっ、お手柄です!」

36 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:16:41
警官「貴様! 動くんじゃない!」チャッ

父「ち、違うんだ! 俺は……銃を拾って頭めがけて引き金を引いただけで……」

警官「完全にアウトじゃないか!」

警官「現行犯で逮捕する!」ガチャッ

父「あうぅぅぅ……!」

女「さすがおまわりさん! かっこいい!」

警官「いやいや。これが警察官の使命ですから」テレッ

男「……」

男(俺はしばらく……死体でいた方がいいか。動くのはいつでもできるしな……)

37 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:19:46
……

……

男「これで奴はブタ箱行きだ。ゆっくりと新しい土地に引っ越すといい」

少女「ありがとう……!」

少女「お母さんも、とっても喜んでたよ」

男「そうかそうか」

女「殺すんじゃなく、“社会的に殺す”とはね。なかなか頭冴えてるじゃない!」

男「散々頭を撃ち抜いたおかげかもな」

38 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:22:24
少女「私……これから、頑張って生きていくね! もう自殺したいなんて考えない!」

少女「もし、お父さんが出所してまたやってきたとしても、今度は自分の力でやっつける!」

女「頼もしいわね」

男「それに……俺たちこそありがとう」

少女「え?」

男「死なないだけの俺らでも、こうして人の役に立てるってのが分かって嬉しいよ」

女「今まで辛い目にあった分、楽しい人生を送ってね!」

少女「うん!」

39 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:25:07
男「いやー、なかなか楽しかったな」

女「ホント! こんな気分、いったいいつぶりだろ」

男「ちょっと思いついたんだけど」

女「ん?」

男「これからはこの死なないってことを生かして、色んな仕事を引き受けるってのはどうだろう?」

女「あ、それいい! 面白そう!」

男「どうやら、俺たちにもやっと死にがいある生きがいができたみたいだな」

女「うん……」

女「この不死がいつまで続くか分からないけど、精一杯やってみようよ!」

40 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします23:27:24
男「せっかくだから、コンビに名前つけるか。どんな名前がいい?」

女「うーん、そうね。“不死屋”ってのはどう?」

男「……大丈夫か? もしも不二家に訴えられたら死刑にならない?」

女「私らが死刑を恐れてどうすんのよ……」

おわり

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