動くなおじさん「動くな」止まれない男「むりです」

1 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします01:22:15
動くなおじさん「いいから止まれ」

止まれない男「むりですって」

動くなおじさん「この!止めてやる」

止まれない男「無駄だ!!」ヒュンッ(動くなおじさんの背後に回る)

動くなおじさん「なっ!?」

止まれない男「これがあなたの限界です」

動くなおじさん「待て!動くな!」

止まれない男「部屋に入らせて頂きます」ギィッ(扉をあける)

止まれない男「では」

2 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします01:25:41
ガチャッ(鍵を閉める)

動くなおじさん「おい!出てこい!」

止まれない男「無駄ですよ。僕はこの部屋でゲームをします」

動くなおじさん「やめろ!お前はいつもそうやって部屋に閉じ籠って!」

止まれない男「いつものことじゃないですか。いい加減に慣れたらどうです?」

動くなおじさん「動くな!分かってるんだろ!お前の親指はもう…」

止まれない男「分かっていますよ。この指は酷使しすぎた」

動くなおじさん「そうだ。だから動くな…止まってくれ」

止まれない男「いえ。僕は僕のやりたいことをするまで」

動くなおじさん「どうしてこんなことに…」

─────

3 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします01:29:57
──二年前

ヒュオオオー(嵐が吹いている)

動くなおじさん「動くな!止まれ!」

止まれない男「嫌です!僕は行きます!」

動くなおじさん「ダメだ!今外に出たら身の保証はないぞ!」

止まれない男「それでも今行かないときっと後悔する。外には大切な彫刻の道具が」

動くなおじさん「いや、いいんだ。また新しいのを買えば」

止まれない男「ダメですよ。あれは祖父から授かったものですから」

止まれない男「行きます!」ダッ(走り出す)

動くなおじさん「まて!止まれ!」

4 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします01:33:28
止まれない男(くそっ。ちゃんと片付けておけばこんな急な嵐に巻き込まれずに済んだのに)

動くなおじさん「おーい!まてー!止まれー!」

止まれない男(あっ!あった。あれを持ち帰れば…)

ヒュオオオー(彫刻刀が風で飛んでくる)

止まれない男「うわっ!!」

ブシャァアア(親指に刺さる)

動くなおじさん「!!おい!大丈夫か!そんな!血が!」

止まれない男「そんなに騒がないでくださいよ。彫刻刀は無事でした」スッ(立ち上がる)

動くなおじさん「ダメだ。お前は動くな。安静にしてろ」

────

5 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします01:37:51
動くなおじさん「すまねぇな。俺があの時すぐにでも病院に連れていってやれば。その指が使い物にならなくなることはなかった」

止まれない男「いいんですよ。嵐が吹いてましたし、それにここは田舎です。病院も遠いですよ」

カチカチカチカチ(ゲームをする音)

動くなおじさん「おい!その音!ゲームをしてるだろ!ダメだ!親指を動かしちゃ」

止まれない男「いいんですよ。これがやりたいことなんで」

動くなおじさん「ダメだ!お前は彫刻をしたかったハズだ!祖父に言われたからじゃない。自分が本当にやりたいと思ったから…お前は子供の頃から」

止まれない男「思い出話ですか?ゲームに集中できませんよ」

カチカチカチカチ

6 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします01:40:44
───後日

動くなおじさん「おい!ご飯だけ食べに出て来てまた自分の部屋に戻るのか!?」

止まれない男「はい。効率的ですよね」

動くなおじさん「まて!動くな!自分の部屋には行かせないぞ」

止まれない男「止めても無駄ですよ。貴方に僕は止めれない」ヒュンッ(動くなおじさんの背後に回る)

動くなおじさん「しまった!また!」

止めれない男「僕は止まれないんです。死んだ祖父の為にも」

動くなおじさん「?」

止まれない男「では」

ガチャッ(扉をしめる)

8 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします01:45:39
────後日

動くなおじさん「動くな!今日こそは!」

止まれない男「無駄です」

動くなおじさん「無駄じゃないぞ。これでも俺は彫刻家の端くれ。実はな!お前がご飯を食べている間、扉をベニア板で開けないようにさせてもらった」

止まれない男「彫刻家はそんな事しませんよ」

動くなおじさん「ま、まあ少々手荒だがもうその親指は使わせないぞ」

止まれない男「ははは。そうですか。あと少しで終わるのに」

動くなおじさん「終わる?」

止まれない男「はい。僕の部屋は見ましたか?」

動くなおじさん「なに?部屋の中?ゲームがあるだけじゃないのか?」

止まれない男「ゲーム…確かにゲームですよ」

動くなおじさん「?…そ、そこを動くなよ。今からこの扉を開ける」

止まれない男「…そうですか。もう隠せそうにないですね」

動くなおじさん「おい!そこ動くなよぉ!おらぁ!!」

ドゴォオオ!!(扉を壊す)

9 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします01:51:03
動くなおじさん「こ、これは?」

止まれない男「完成まで見せたくありませんでしたよ」

動くなおじさん「ゲーム?これが?これは…」

ゴゴゴゴゴ(部屋には彫刻が置いてある)

止まれない男「はい。自分の親指が完全に使えなくなるまで、僕が彫刻ができなくなるまでの間に、この作品を仕上げることができるかのゲームですよ」

動くなおじさん「じゃ、じゃああのカチャカチャ音は…」

止まれない男「僕がこれを掘っている音です」

動くなおじさん「そんな…でもなんのために!」

止まれない男「僕は祖父の彫刻の設計図をよく見ていたことがありました。その中に一つだけまだ作られていないものがあった」

動くなおじさん「まさか…」

止まれない男「そうです。それがこの作品。“家族”です。もちろん貴方もこの作品の一部です」

10 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします01:57:51
動くなおじさん「そんな話…聞いてないぞ」

止まれない男「はい。これは僕の親指を駆けたゲームです。親指がなければ彫刻も難しいでしょう」

動くなおじさん「そんなバカな」

止まれない男「馬鹿で結構。祖父の意思を継ぐのが僕だっただけの話です」

動くなおじさん「そんな…」

止まれない男「ただ困りましたね。もう仕上げに入っているのに、親指が上手く動かなくなってきてしまいました」

動かないおじさん「だから、だからあれほど動くなと!」

止まれない男「いいえ、僕は止まれないんですよ。いずれにせよこの指で僕が掘れる作品は限られている。ならばこの作品に全てを込めたいのです」

動かないおじさん「そんな!どうしてそうまでして!」

止まれない男「純粋な理由ですよ。自分の想いをぶつけていく彫刻とのゲームが好きだからです」

スッ(祖父の彫刻刀を拾い上げる)

動かないおじさん「まさか!やめろ!動くな」

止まれない男「止めれないでしょう。僕はもう止まれないのだから」

カチャカチャカチャカチャ

11 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします02:05:14
────それから数日

止まれない男「できました」

動くなおじさん「す、すごい」

止まれない男「もう親指は動きません。でも、後悔はありませんね」

動くなおじさん「これが最後の作品か」

止まれない男「はい。これを今は亡き祖父に捧げます」スッ(彫刻を持とうとする)

動くなおじさん「まて!動くな。…俺が運ぶ」

止まれない男「…」

動くなおじさん「持ってくんだろ?おじいちゃんの仏壇まで」

止まれない男「はい。見せてあげますよ。設計図に僕が目を奪われた、この最高傑作を」

動くなおじさん「ははは。違ぇねぇや。…それじゃ、運ぶぞ」スッ

─────

それからというもの、動くなおじさんは相変わらずの性格だが、止まれない男は以前とは少し異なり、落ち着いた生活を送っているという
止まれない男は動くなおじさんと健やかな日々を送っていることだろう

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